老朽化に伴う建て替えが進む諏訪市の豊田小学校で5日夜、同校の児童たちが泊まりがけで花火や肝試しを楽しむ催しがあった。豊田地区の住民有志でつくる「とよだっ子未来探検隊」が、取り壊される前の校舎で思い出をつくってほしいと企画。1~6年生の児童約50人が参加し、日ごろなじみのない「夜の校舎」を満喫した。 子どもたちは家で夕食を済ませ、寝袋や着替えを持参して体育館に集合。地域のボランティアらと校庭で花火を楽しんだ後、夏休みにも取り壊される予定の校舎で肝試しに挑戦した。10人程度の班に分かれ、懐中電灯を頼りに薄暗い校舎の中へ。先生がこっそり廊下の窓ガラスや集会室のピアノを鳴らすと、悲鳴を上げる女子児童もいた。 6年の笠原想一郎君(11)は「夜の学校はちょっと不気味。古い校舎が無くなるのはさびしいけれど、最後のいい思い出になった」。とよだっ子未来探検隊の代表で自営業の松沢和文さん(55)は「学校に泊まるなんて、なかなかできない経験。取り壊されても記憶の中にとどめておいてほしい」と話していた。 古い校舎は1971(昭和46)年に建設され、上空から見ると「風車」のように見える独特の形が特徴だった。既に一部が取り壊され、夏休み明けから同じ敷地に建設した新校舎での授業が始まる。(長野県、信濃毎日新聞社)
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