下伊那郡阿智村の阿智高校(全校生徒297人)の生徒を対象にした「神坂(みさか)学習塾」の開講式が26日、会場となる同校敷地内の合宿所で開かれた。同塾は、同郡西部の阿智、平谷、根羽の3村や同高、同高同窓会などでつくる「阿智高校協力会」が地域高校の存続に向けて、進学や就職を控えた生徒の学力向上を支援しようと開設。8月から、個々の生徒に合わせた学習指導や進路相談を行う。 同塾は、原則として平日の放課後の午後4~8時に通年で開講。米国の大学のフランス語学科を卒業し、2010年まで飯田市の小学校で講師として英語を教えた小沢優さん(28)=飯田市=が専任講師、元学習塾講師ら6人が学習ボランティアとして、国語や数学、英語、地歴公民、理科を教える。 受講生は自ら希望した1~3年生計29人。専任講師が同高教員と連携して生徒の学習状況を把握し、授業形式と個別学習を併用して指導に当たる。受講料は1教科につき月千円。 開講式には、受講生や同協力会関係者ら約50人が出席。同協力会長の岡庭一雄・阿智村長は「本気で勉強したい子どもを支援し、学んだことを地域でも生かせるよう開講に至った」とあいさつ。同高の黒柳紀春(としはる)校長は「少子化で高校再編の波にも対処しなければならない。塾で生徒の力を伸ばし、高校を再生させたい」と話した。 受講生を代表してあいさつした3年の肥後拓巳君(18)は中京方面の大学への進学を希望しており、「学力を付けて地域の期待にも応えたい」と決意を語った。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧