長野市は26日、入札価格が予定価格を上回り、入札不調に終わっていた新市民会館の建設工事について、あらためて入札を行った。共同企業体(JV)2者が参加し、前田建設工業長野営業所と飯島建設(ともに長野市)のJVが53億9800万円で落札。県平均で前年度比18%上昇した2013年度の労務単価(人件費)などを反映した予定価格は55億1千万円だった。 前回入札で前田・飯島JVは52億4500万円を提示したが、予定価格に届かず入札は不調。今回の入札価格が1億5300万円高くなった理由について、前田建設工業(東京)は「全項目に渡って見直した結果」とした。 前回入札時の予定価格に関し、市は12年度の労務単価や1~2月時点の資材価格を基に積算。だが、労務単価の上昇や円安による資材価格の高騰などを踏まえ、今回の入札で予定価格を見直した。 新市民会館は8月6日予定の臨時市議会の議決を経て契約する。着工は1カ月遅れて8月になるが、工期自体は、建設工事から外構や植栽部分を切り離し、15年3月の完成予定に間に合わせる。 市は新第1庁舎と新市民会館の建設工事について、本体工事、設備工事を分割発注し、規模が最も大きい新市民会館以外の工事は落札者が決まっていた。地下部分を含む新市民会館の建設工事が進まないと、他の工事は着手できない状況だった。 入札後、鷲沢正一市長は取材に「(新市民会館と地下部分の)第1工区が決まらなければそれ以外の工事ができない。ほっとしている」と述べた。 一方、前回入札が不調だった長野運動公園総合市民プール(アクアウイング、長野市)の大型映像装置改修工事も再度入札を行い、ソニービジネスソリューション(東京)が2億1千万円(予定価格2億2010万円)で落札した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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