20年ごとに社殿などを造り替える伊勢神宮(三重県伊勢市)の「式年遷宮」に合わせ、遷宮の用材となる御神木を切り出す「御杣始祭(みそまはじめさい)」での伐採法「三(み)ツ紐伐(ひもぎ)り」の実演が27日、木曽郡上松町の木曽森林管理署焼笹土場(やけざさどば)であった。町内外から訪れた約100人が見守る中、伐採法の保存会員が伝統の技を見せた。 三ツ紐伐りは、木の三方からおのを入れて支点を3カ所残し、最後に倒す方向と反対側の支点におのを入れて倒す伐採法。今回の式年遷宮に向けて2005年、同町の赤沢自然休養林で開かれた直近の御杣始祭では2本のヒノキを切ったが、林野庁などの関係者しか見られなかった。このため、町観光協会などが実演会を開くことにした。 この日切ったのは、土場の敷地内にある高さ25メートル、直径42センチのヒノキ。同祭でも木を切った3人がおのを入れ、木が倒れると、観衆から「おーっ」と歓声と拍手が起きた。 保存会は現在、20~80代の約20人が入る。杣頭(そまがしら)の橋本光男さん(60)は「次の遷宮に向け、技術を若い人に伝えないといけない。こういう機会は貴重」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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