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象山直筆の旗公開 上田・八幡大神縣社に伝わる2枚

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 上田市五加(ごか)の神社「八幡大神縣社(はちまんだいじんあがたしゃ)」に伝わり、長野市松代町出身の思想家佐久間象山(1811~64年)が文字を書いたとされるのぼり旗2枚が28日、同神社近くの五加自治会館で公開された。旗は市指定文化財で、普段は箱に入れて同会館倉庫で保管。氏子でつくる「崇敬(すうけい)会」と五加自治会が虫干しを兼ねて年1回住民らに披露している。地元などの30人余が訪れ、力強い大きな文字に見入った。  旗は2枚とも幅1・6メートル、長さ12メートルほど。東信史学会会長の宮本達郎さん(81)=上田市本郷=によると、のぼり旗には「玄墨淹茂(げんよくえんも)三月」とあり、意味は「壬戌(みずのえいぬ)の年の3月」であることから、1862(文久2)年に書かれたと分かる。弟子吉田松陰(しょういん)(1830~59年)の海外渡航の企てに連座して松代に蟄居(ちっきょ)させられていた象山のもとに、当時の五加村の代表者8人が出向いて依頼。筆はわらを束ねて作り、墨をするのに7日かかったと伝わっている。  郷土史愛好家の鍼灸(しんきゅう)師峯村春風(しゅんぷう)さん(63)=上田市本郷=は「五加洪福村」と書いてある1枚の旗を指さして「五加は福があふれる村である、という意味です」と説明。もう1枚の「八縣〓(四の下の一にエンガマエを付け、右に月)●祠(やあがためいいんのほこら)」は「八縣宿祢神(やあがたすくねのかみ)を清め祭っている」という意味だとした。  ゲストとして招かれた上田市の信州上田観光大使の歴史プロデューサー早川知佐さん(36)=静岡市=は「大きな書だが、象山先生の字の特徴がよく出ていて素晴らしい。美しい」と話していた。  のぼり旗の他に、五加自治会が所有する、幕末から明治時代にかけ活躍した政治家・勝海舟の書なども公開された。(長野県、信濃毎日新聞社)


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