大町市の若一(にゃくいち)王子神社夏祭りの呼び物「子ども流鏑馬(やぶさめ)」(県無形民俗文化財)が28日、中心市街地で繰り広げられた。古式の装束で盛装した男児10人が馬にまたがり、各所で的を射る「奉射」を披露。市民や観光客らも拍手と歓声で盛り上げた。 「ハオー、ハオー」とはやし立てる大人の馬方(うまかた)らを従えるのは、氏子10町の5~8歳の射手(いて)たちだ。JR信濃大町駅前や商店街などで的板に狙いを定めるたびに沿道は静まり、矢が当たると大きな拍手。大勢の子どもが元気よく引っ張る6台の舞台(山車)もお囃子(はやし)を競い合い、車輪を浮かせて一気に方向転換する力業に歓声が湧き上がった。 黒部ダム観光で訪れ、たまたま流鏑馬に出くわした京都市の米原(よねはら)美奈子さん(59)は「街中をこんなに盛大に馬が歩いていて感激。着飾った男の子も大人の掛け声も素晴らしい」。千葉県印西(いんざい)市の鮫島正純さん(66)、史子さん(61)夫妻も「みんなで地元を盛り上げている姿が印象的」と楽しげに話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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