29日午後1時すぎ、中央アルプス檜尾岳(ひのきおだけ)(2728メートル)付近で韓国人男性(70)が動けなくなっていると駒ケ根署に通報があった。同署によると、男性は韓国人男女計20人のグループの1人。20人のうち11人は周辺の山小屋などにいるか、自力下山して所在が確認されたが、この男性を含む9人と連絡が取れていない。千畳敷(約2600メートル)のホテルによると、一帯は同日午前から雨と風が強く、霧で視界が悪かった。同署員と中ア遭対協救助隊員が千畳敷に入っており、天候の回復を待って30日朝から檜尾岳付近を捜索する予定。 同署によると、20人は40~70代。28日に駒ケ根市の池山登山口から入山し、空木岳(2864メートル)を経て木曽殿山荘に宿泊。29日午前6時ごろに同山荘を出発し、同日午後に宝剣岳(2931メートル)近くの宝剣山荘に到着する予定だった。東京の旅行代理店が山小屋の宿泊を手配したが、ガイドは同行していなかった。 29日午後、女性の1人が「駒ケ岳ロープウェイ」の千畳敷駅近くにあるホテルに下山。男性が動けなくなっていると伝え、ホテル側が駒ケ根署に通報した。同署が確認した結果、同日夜までに、通報した女性を含む8人が宝剣山荘に到着。1人が木曽殿山荘に戻った。さらに男性2人が自力で下山した。檜尾尾根を下ったとみられる。 下山した2人は午後7時ごろ同署に到着。長袖のジャージー姿でリュックサックを持っていた。檜尾岳近くの避難小屋に4人がいる―と話しているという。 日本気象協会(東京)によると、29日は北陸地方に伸びる梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、県全域で雨が降った。大気の状態が不安定になり、南部では急に雨脚が強くなった所や、山では霧が出た所もあった。(長野県、信濃毎日新聞社)
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