東京電力福島第1原発事故の影響で外遊びが難しくなっている子どもたちを大町市に招く「親子保養ステイ」が29日始まり、第1陣の茨城県の3組7人が合宿先の木崎湖畔の元民宿に到着した。順次、福島県、宮城県などからも参加家族が合流し、計10組26人が8月11日まで、それぞれ1週間ほど過ごす。 澄んだ水と空気に囲まれた大町で夏休みを―と、有志でつくる「アースデイおおまち実行委員会」が主催した。到着した3家族の子らは長旅の疲れも見せず、早速、広い元民宿内を「探検」し、スタッフやその子どもたちら15人と夕食を共にした。 娘の咲ちゃん(3)と参加したひたちなか市の河西実里さん(39)は「諦めからか、茨城では放射能への不安を周りで聞かなくなってきたけれど、心の中では気にしているはず」。原発事故後、近くの海や川には連れて行けないといい、「思い切り好きなことをさせてあげたい」と話していた。 保養ステイは、元民宿の所有者をはじめ多くの市民が手弁当で協力している。この日、自家栽培の野菜を差し入れた近くの西沢尊(たか)子さん(68)は「期間中は新鮮な野菜を届けに来たい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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