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地元産の生糸 上田 市内で上田紬「全工程」手がける計画

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 上田市の上田商工会議所は30日、市内で収穫した繭から取った生糸約17キロを同商議所で披露した。蚕を育てて糸を取り、伝統的な絹織物「上田紬(つむぎ)」を織るまでを全て市内で手掛けようと、5月に始まった計画「蚕飼姫(こがいひめ)プロジェクト」の取り組み。繭を乾燥させず、昔ながらの手法で時間をかけて糸を引くことで、真っ白でふっくらと仕上がったという。年内にも着物などを市内の五つの紬業者に織り上げてもらう予定だ。  計画は同商議所と市内の紬業者、同市常田の信州大繊維学部でつくる実行委員会(鈴木由紀夫委員長)が昨年8月から準備。公募で集まった市民20人ほどが、同学部職員の指導で市内業者から仕入れた約6万匹の蚕を飼育した。5月下旬から約3週間、同学部施設で桑の葉を刈り入れて与えたり、ふんを取り除いたり。6月下旬に繭約80キロを収穫し、岡谷市の宮坂製糸所に持ち込んだ。  同社は繭を熱風で乾燥させずに冷蔵庫で保管した。宮坂照彦社長(74)は「乾燥させないことで繭の変質を防ぎ、より真っ白な色を引き出せる」と話した。糸を取るには機械だと数日で済むが、熟練した社員が「座繰(ざぐ)り」と呼ばれる方法で1カ月ほどかけて作業。湯に浸した十数個の繭から細い糸を1本ずつ引き、さらに束ねて滑車で巻き取った。  お披露目には公募で作業した市民も出席。机に並んだ生糸を近くでじっくり眺めた主婦小林容子さん(60)=上田市材木町=は「自分で餌をやって少しずつ育てた蚕が糸になった。いとしいわが子のようです」と笑顔を見せた。  実行委は第2弾を計画。9月6日~10月8日の日程で、同学部の施設を使い1万匹の蚕を育てて糸を取る予定だ。(長野県、信濃毎日新聞社)


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