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食や運動で高齢者元気 市町村別平均寿命

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 男性の平均寿命全国1位となった北安曇郡松川村。まとめが発表された31日、村内の畑で農作業をしていた中沢正文さん(78)は、結果を聞いて「本当かい」。「無理しない程度に畑に出ながら健康を維持していきたい」と笑顔を見せた。同村の農業曽根原武信さん(92)も「住み慣れた土地に住むことが健康で長生きの秘訣(ひけつ)かもしれない」と話し、北アルプスの麓を流れるきれいな水や空気、降雪量が少ないことなどを挙げた。  同村は、運動の重要性や生活習慣改善などを伝える「健康講話」を実施。高齢者が自主的にスポーツや文化活動などを楽しむ「地区ふれあい会」を通じてボランティアが高齢者の生きがいづくりを支える取り組みも導入している。  全国市区町村別の平均寿命で、上位に県内市町村が並んだ背景については、高齢者就業率や野菜摂取量が全国トップで、定期健診も毎年受けたり塩分を控えるなど食の改善指導を受けたりといった環境が整っていることを指摘する自治体、医療関係者が多い。  男性で10位の諏訪市は、講習会などで食生活の改善に取り組んできたと説明。19位の木曽郡木曽町は健診の働きかけが奏功したとする。女性で県内トップの佐久市は「畑仕事を楽しんでいるなど、元気な高齢者が多いことが要因ではないか」と推測する。  一方、男性が全国上位になっていることには驚きや戸惑いも。男性14位の伊那市によると、介護予防事業への男性の参加は女性に比べ必ずしも積極的ではないという。男性が上位になる理由は「よく分からない」との声が目立つ。  東御市を中心に健康づくりを支援している身体教育医学研究所の岡田真平所長は「男性は自分で知識を得て、納得すれば健康づくりを継続する印象はある」と説明。諏訪中央病院(茅野市)の鎌田実名誉院長は、男女の長寿について、高齢者の就業率の高さや豊かな自然環境、住民同士のつながりなど多彩な要素を指摘し、「人間から学ぶ豊かなシステムが出来上がっている」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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