東京電力福島第1原発事故で避難を余儀なくされている福島県飯舘村の村民を招いた「語り合う会」が3日、上伊那郡中川村であった。飯舘村民28人と中川村などの約40人が参加。原発事故を風化させないためにも、両村民の交流を続けていこうと確認した。 NPO法人「日本で最も美しい村」連合に加盟する両村は、2011年の原発事故後から交流を始め、招待は3回目。28人は同日開かれた「中川どんちゃん祭り」に合わせ、2日から2泊3日の日程で滞在。語り合う会は、中川村の有志らや村が企画した。 飯舘村民は、除染が遅れている現状や仮設住宅の不便さなどを報告。佐藤長平・同村議長(62)は「村に戻る、戻らないで、世代ごとに考え方が違う。どちらの選択も正しい」と述べた。居住制限区域にあり、7月に天皇、皇后両陛下が訪問された菊池製作所福島工場の高橋幸一取締役(51)は「両陛下を拝見して自然と涙が出た。頑張ってきて良かったと思った」と話した。 中川村の有志代表、江倉則和さん(67)は「息の長いお付き合いで寄り添う中で、互いに元気を与え、もらえるような関係を築いていきたい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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