飯山市の戸狩温泉スキー場などを運営する戸狩観光(飯山市)が7日、長野地裁に民事再生法の適用を申請し、保全命令を受けた。同社によると、負債総額は約3億5千万円。スポンサーを募り、支援を受けて経営を継続し、再建を図る。スポンサー候補には、県内外でスキー場再生を手掛けるマックアース(兵庫県養父市)が浮上している。 戸狩観光によると、7月末時点で19人いる従業員の雇用は維持する方針。同社は依頼するスポンサーの候補を明らかにしていないが、マックアース以外にも関心を示している企業があるとみられる。 戸狩観光は2006年、地元の民宿経営者らが出資して発足。経営悪化で私的整理した戸狩観光開発(07年解散)から同スキー場の経営と同社の負債約19億円のうち約4億2千万円を引き継いだ。 吉越誠雄社長によると、当初の営業は堅調だったが、11年3月の東日本大震災後に客足が遠のいた上、12年1月に雪崩でリフトの電源が故障して営業を一時停止したため経営が悪化。12年8月期は売上高が約2億9千万円とピーク時より2割以上減少し、純損失4300万円を計上した。 資金繰りが悪化し、戸狩観光は5月、今季の運転資金に充てるため株主に計5千万円の増資を要請。増資の募集期間を2回延長したものの、設定額の半分しか集まらず、自力での経営の継続を断念した。債権者説明会は12日午後1時から、同社で開く。 スポンサー候補として浮上したマックアースはグループ全体で昨季、飯山市と新潟県妙高市にまたがる斑尾高原スキー場を含め県内8カ所のスキー場を運営。同社は信濃毎日新聞の取材に対し、戸狩観光への支援について「ノーコメント」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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