三峰川(みぶがわ)を挟んだ伊那市美篶(みすず)川手、富県(とみがた)桜井地区の二つの天伯社で7日、月遅れの七夕行事「さんよりこより」があった。照り付ける太陽の下、洪水を起こす鬼役の大人に向かって子どもたちが七夕飾りを振り下ろし、厄を払った。 川手の天伯社には正午前から、願い事を書いた短冊付きの七夕飾りを手に子どもたちが集合。鬼役の周りで輪になって「さんよりこより」(さあみんな寄ってこいよ、の意味)と口ずさみながらぐるぐる歩き、合図が出ると一斉に七夕飾りを振るった。 美篶小学校2年の伊藤梨々香(りりか)さん(7)は「洪水が来ないでほしい」、同6年の下平龍哉(りゅうや)君(11)は「(鬼役に)悪い気もしたけれど気持ち良かった」。初めての鬼役に耐えた地元の渋谷浩和さん(58)は「子どもたちの元気が伝わってきた」と笑顔で話した。 大人はみこしを担いで三峰川を流れに入って渡り、対岸へ。桜井の天伯社でも、地元の子どもたちの「さんよりこより」の声が響いた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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