長野市の鬼無里(きなさ)観光振興会は17日、ブナの原生林が広がる同市鬼無里地区の奥裾花自然園を散策する催しを開いた。「多様な生物を育み、市の貴重な水がめとなっている自然に親しんでほしい」と企画。市民ら9人が涼風を感じながら、植物の観察などをした。 案内役の一人で「鬼無里ブナの森を育てる会」副会長の佐野昌男さん(74)=長野市篠ノ井布施高田=は、豊富な水を蓄えられるブナの特長などを説明。「ブナは漢字で『木偏(きへん)』に『無』と書くが、非常に大事な木」と述べた。 参加者はブナ林に足を踏み入れると「涼しい」「(巨木が)冷たくて気持ちいい」と声を上げた。県自然保護レンジャーの宮沢秀光さん(76)=同市鬼無里=は、ようじなどの材料に使われる落葉低木クロモジや、園内の池で繁殖するモリアオガエルなどについて説明した。 同市松代町城東の主婦山岸園子さん(69)は「話も面白く、ゆっくりと散策を楽しめた」。中国出身で同市に住む会社員李彦霞(りげんか)さん(30)は「中国の実家の周辺はこうした自然はない。また訪れたい」と満足そうに話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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