下伊那郡高森町の天竜川で18日夜、恒例の「市田灯ろう流し」(高森町観光協会主催)が行われた。同町出砂原(ださら)自治会が用意した約250基の灯籠が流れ下る中、次々と花火が打ち上げられた。今回で90回の節目となり、記念として例年より200発ほど多い約2200発の花火が夜空を彩った。 天竜川に架かる明神橋や河川敷には夕方から浴衣姿の家族連れなどが繰り出した。午後6時半すぎ、火がともされた灯籠が川面を下った。同7時ごろから花火の打ち上げが始まると、見物客からは「きれい」の声が上がった。 20年余りも写真撮影に訪れている飯田市上郷別府の自営業、川手郷司(さとし)さん(72)は「迫力のある花火を見ると血が騒ぐ」と話した。一昨年は東日本大震災に伴い、自治会は自粛も検討したが、地域住民には「歴史のある行事なので続けるべきだ」との意見が多く開催した。出砂原自治会長の高木利正さん(71)は「夏の風物詩として続けていきたい」と語った。(長野県、信濃毎日新聞社)
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