高山村の畑に熊　男性襲われ重傷

　１８日午前５時ごろ、上高井郡高山村中山のリンゴ畑で、近くの農業牧郁夫さん（８３）が熊に襲われた。牧さんは顔をかまれて出血し、長野市内の病院に運ばれた。須坂署によると、重傷とみられる。同署員らが駆け付けた時には熊はいなくなっており、その後も目撃情報も寄せられていない。村は地元猟友会に周囲の警戒やわなの設置を依頼。同署もパトカーで巡回するなど警戒している。 　同署によると、牧さんは畑で水やりをするため、車で出掛け、車から降りた直後に襲われた。牧さんは車を運転し自力で帰宅。その後、救急車で病院に運ばれた。 　現場は村役場から１・５キロほど。村産業振興課によると、付近では毎年、熊の目撃情報があり、現場の周囲には電気柵が設置されている場所もある。村内では今月に入り、熊によるものとみられる農作物被害が８件程度確認されている。 　隣接する須坂市でも７月下旬以降、畑が荒らされる被害や目撃情報が相次ぎ、市などが注意を呼び掛けていた。 　県クマ対策員の後藤光章さん（３９）＝長野市七二会＝は「お盆すぎからドングリが実るまでの時期は熊の食べ物が少なくなり、人間の生活圏まで来ることがある」と指摘。「山に入る時、農作業の時は鈴を身に着けるなど注意してほしい」と話している。（長野県、信濃毎日新聞社）