伊那市西箕輪小学校で29日、5年生26人が理科の授業で、肉食性外来魚ブラックバスの一種コクチバスを空揚げにして食べた。天竜川で増え、生態系への影響が懸念されている魚を食べることで問題を身近に感じ、河川環境について考える狙い。児童から「おいしい」と声が上がった。 コクチバスは、同校教諭の野口輝雄さん(61)や保護者が上伊那郡箕輪町などの天竜川で釣った。独特の臭みは皮をはぐと薄れ、野口さんが三枚におろして油で揚げた。頬張った有賀勇司君(11)は「ぼくも釣ってみたい。駅弁にして名物にすればいい」。 天竜川ではことし、コクチバスが急増。国土交通省天竜川上流河川事務所(駒ケ根市)の調査では、捕獲したコクチバスの体内からアユが出てきたという。野口さんはコクチバスの卵巣の映像を児童に見せ、「タラコのように小さい卵がたくさんある。これが天竜川で増えている。放流したアユも稚魚のうちに食べられてしまう」と説明した。 野口さんは「完全に駆除することは不可能かもしれないが、減らすことはできる。児童に興味を持ってもらえればいい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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