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サンマ値下がりいつ? 「早く庶民の味に」願う声

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 県内でサンマが品薄となり、高値傾向が続いている。猛暑による海水温上昇などで近海への来遊が遅れている上、資源保護のための漁獲量制限や漁船燃料の高騰で大型船による本格的な出漁が例年より遅くなったためだ。大型船漁は20日に解禁され、来週初めには一定量が流通する見込みだが、「庶民の味」として価格が落ち着くか、小売店や卸売業者は注視している。  諏訪市など県内でスーパー8店舗を展開する綿半ホームエイド(長野市)は21日、全店舗で1匹298円で販売した。昨年は9月に入って間もなく同100円を切る価格で販売したが、ことしは漁獲量が安定するか「予想がつかない」と担当者は気をもむ。  イトーヨーカドー長野店(長野市)は同日、「秋の味覚」を売り出そうと、1日限定で生サンマを1匹278円で並べた。22日以降の販売も検討したが「市場でサンマを確保できなかった」と同店マネジャー。「9月には1匹100円ほどまで下げたいが、例年より厳しい」と漏らす。  長野市で居酒屋を営む伊藤正明さん(65)も「いつもより出回りが少ない」。1週間前にサンマの焼きや刺し身をメニューに加えたが、例年昼時に提供するサンマ丼は「コストがかかりすぎて今はとても無理」という。  サンマの資源保護のため、水産庁は1997年から年間漁獲可能量を規定。推定資源量は2008年以降減少傾向にあるとし、今年は7月から来年6月までの漁獲可能量を前年同期より11万トン余り少ない33万8千トンとした。燃油高も加わり、サンマ漁業者でつくる全国さんま棒受網漁業協同組合(東京)はサンマの取りすぎ防止と燃料費抑制のため、100トン以上の大型船の操業の解禁日を昨年より5日遅い20日とした。  19日までは10~20トンほどの小・中型船漁だったため水揚げ量は伸びず、食品卸売業の丸水長野県水(長野市)によると、取引している北海道東部にある漁港の8月1~21日の水揚げ量は計500トンを切っており、昨年同期の3分の1程度。卸値も昨年と比べ2割ほど高いという。  水産庁によると8月中旬の道東沖の表面水温は平年より高め。9月になると下がる見込みで、東経160度より東にある遠洋の魚群が日本近海に来遊するため、同月の漁況は上向くと予想している。  21日、諏訪市内の店舗を訪れていた諏訪郡下諏訪町の主婦白鳥容子さん(58)はサンマが大好きといい、「新物は少し高くてもしょうがない。これから安くなればどんどん食べたい」と今後の大漁に期待。長野市のスーパーで2匹を買った同市の主婦(63)は、漁船の燃油高騰が価格に転嫁されないか気掛かりといい、「もっと値下がりして『庶民の味』になってもらわないと」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)


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