宮沢宗弘安曇野市長は30日、小中高校生から募った「平和に感じる時」などの思いを参考に、市職員が柔らかい表現の詩文形式で作った「市平和都市宣言案」を市議会12月定例会に提出する考えを示した。2010年12月定例会に提出予定だったが、市議から「情緒的すぎる」などの批判が相次ぎ、棚上げしていた。宣言案自体は変えず、注釈を付けて理解を求める方針だ。 5段落からなる宣言案は「平和を願う人々と手を取り合って全ての不安や争いをなくすために私たちは行動します」といった内容。市側は、なくすべき「不安や争い」に核兵器やテロ、犯罪、飢餓、貧困、いじめなどの幅広い意味を込めたと説明したが、市議からは「平和への強い決意が感じられない」などの批判が出た。 宮沢市長はこの日の会見で「一定の冷却期間を置いた。市民の理解を得る努力を重ねてきた」と説明。注釈には、「平和」に非核、反戦、「不安や争い」に核兵器やいじめなどの意味を込めたとの内容や、日本が世界で唯一の被爆国であるといった説明を加える考えを示した。 非核や反戦がはっきり分かる宣言を求めてきた共産党市議団の松沢好哲(よしのり)氏は、取材に「核兵器も戦争もだめだ、と本文に入れることが大事だ」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧