県内は23日午後、全域で雷を伴う激しい雨となった。北安曇郡小谷村で1時間当たりの降水量が8月の観測史上最多を更新。各地で土砂崩落や停電などの被害が出た。JR4線で雨量計が規制値を超えて運休や遅れが相次ぎ、通行止めになる道路もあった。24日の北中部は明け方まで、南部は朝まで雨で、その後は曇り。 小谷村では23日午後2時25分までの1時間降水量が35・5ミリを記録した。県と長野地方気象台は午後3時、同村と同郡白馬村に土砂災害警戒情報を出し、小谷村は一時、全村に避難準備情報を出した。 長野市真光寺では午後4時ごろ、会社員男性(54)方北側の斜面が幅5・7メートル、高さ3・5メートルにわたって崩れた。土砂が家屋に迫り、家族4人が近くの公民館に自主避難した。同8時前には同市浅川畑山の土木会社事務所近くで土砂崩れが起き、窓ガラスを割って事務所内に土砂が入った。同市によると、七二会や塩生甲、戸隠栃原の市道でも土砂崩落や出水があった。 午後11時25分ごろには飯田市上川路の国道151号で、道路脇の斜面から土砂が押し出して通行止めになった。厚い所で30センチほどの土砂が道路にたまった。 JR東日本、東海によると、大糸、信越、飯山、飯田4線で少なくとも上下計22本が運休したり、遅れたりした。 県営松本空港(松本市)発着のフジドリームエアラインズ(FDA)便は、松本発札幌行き便が松本空港を離陸して約5分後に落雷を受けた。計器に異常はなく札幌に着いたが、点検、整備のため、同じ機体を使う札幌発松本行き、松本発福岡行きの2便が欠航した。 埴科郡坂城町坂城では午後3時10分すぎ、木造2階建ての作業場約160平方メートルが全焼。千曲署は落雷の可能性もあるとみている。同1時10分ごろには、松本市空港東にある気象庁の地域気象観測システム(アメダス)からデータの配信が停止し、落雷の影響とみられている。 中部電力によると、各地で停電も発生。安曇野市と北安曇郡松川村の計約1300戸が午後3時45分ごろから最大1時間半にわたり停電。下伊那郡阿南町と売木村、平谷村などでは午後から夕方にかけて断続的に停電し、午後5時すぎから約800戸で最大1時間45分止まった。北佐久郡軽井沢町では午後4時すぎから約400戸が最大4時間50分、長野市七二会から大町市美麻にかけての約2200戸は午後11時半すぎごろから、それぞれ停電した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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