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建設・観光 商機に狙い リニア駅・路線公表に県内経済界

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 JR東海が2027年に東京―名古屋間の開業を目指すリニア中央新幹線で、詳しい路線や駅位置が明らかになった18日、飯田下伊那、上伊那地方の建設、観光業者から工事受注や観光客の増加に期待する声が上がった。首都圏などとの時間距離が縮まる利点を生かすため、観光地や産業集積地としての魅力づくりを急ぐべきだとの指摘も目立つ。  「近年にない大プロジェクト。リニア駅へのアクセス道路整備などで商機を見いだしたい」と話すのは、建築工事などの綿半鋼機(飯田市)の担当役員。総合建設業の吉川建設(同)も「トンネル工事現場につながる道路の建設もありそうだ」(総務担当者)とし、付随する工事の受注を見込む。  観光面の期待も膨らむ。中央アルプス観光(駒ケ根市)の森川優社長は「関東からはもちろん、関西からの日帰り圏が拡大する」。下伊那郡阿智村の第三セクター、昼神温泉エリアサポートの村松晃局長も「南信州全体を『ぜひ行ってみたい』と感じさせる魅力ある地域にしないといけない。何が強みかをしっかり考える必要がある」と強調する。  県内中間駅から品川までは40分程度で結ばれる。グループの腕時計製造部門の再編で、埼玉県などの拠点と10月に合併するシチズン平和時計(飯田市)の総務担当者は「自社の拠点間で技術者らの行き来がしやすくなる」と受け止める。  一方、歯科用インプラント(人工歯根)製造などを手掛けるヨシオカ駒ケ根工場(駒ケ根市)の好村昌之取締役は「上伊那から中間駅までは遠く、高速道を使った移動と比べてメリットがない。出張などには活用しにくい」とする。伊那食品工業(伊那市)の塚越寛会長も、開業までにはさらに情報技術が発達し「テレビ電話で十分会議ができるようになる。そう頻繁に出張でリニアを使うこともないのではないか」と話し、むしろ海外観光客の県内誘致につなげるべきだ―と指摘する。  飯田商工会議所副会頭を務める多摩川精機(飯田市)の萩本範文社長は「中間駅ができた後の地域の産業をどうしていくかが本来の関心事」とする。飯伊地域で航空宇宙産業集積のための特区を設けることなどを例示し、「日本中のリソース(資源)をこの地に集め、世界中に発信する仕掛けづくりに、地域や企業が本腰で取り組まなくてはならない」と話す。  長野経済研究所(長野市)の小沢吉則調査部長は、利便性を生かして全国から企業の本社機能を誘致したり、居住地としてアピールしたりする効果を見込み、観光面でも「訪れた人が飯田をハブ(拠点)として周辺地域に足を延ばせば、宿泊需要が出てくる」と見通している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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