東海大三高校(茅野市)の卒業生の実家に「息子」を名乗る不審な電話がかかってきた、との届け出が相次いでいることを受けて、同校同窓会は本年度、新たに作る会員名簿に初めて通し番号を付けることにした。万が一、悪用されて見つかった場合、最初に購入した人までたどれる。うっかりなくしたり知らない人に渡したりしないよう、名簿を買う卒業生に自覚を持ってもらい、流出を防ぐ狙いだ。 同校によると、不審電話が目立ち始めた5月、小口隆秀教頭(57)が考えた。新名簿にはバーコードと数字を記す。卒業生全員が同窓会員となるが、名簿を買うのは希望者だけだ。最新版は2001年発行で、1966(昭和41)年卒業の1期生からの名前、住所、電話番号が載っている。13年版は、年内に300部ほど製本する。 不要になった名簿を業者に転売することは違法ではないが、いったん業者に渡ると、ほかに広がる可能性が生まれる。同窓会長の両角武晴さん(66)=茅野市北山=は「不要になったら裁断するか、焼却できる処理場に直接持ち込み、責任を持って処分してほしい」と話す。 諏訪、茅野、岡谷署によると今月12~18日、諏訪地方の卒業生の実家に、息子を名乗る不審な電話が計21件かかってきた。多くは声や話し方が息子と違うことに親が気づいたため、電話が一方的に切れたという。茅野署によると、息子の名前を読み間違える例もあった。同校の01年版名簿は、名前に振り仮名をつけていない。 (了) 【編注】県警は2007年、勤務先の会社の顧客名簿の写しを容疑者に譲った男を、詐欺ほう助の疑いで書類送検した。諏訪署は「罪に問われる可能性がある」と指摘(長野県、信濃毎日新聞社)
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