駒ケ根市の大宮五十鈴(いすず)神社で23日、例祭の宵祭りがあり、伝統の筒花火「三国」が奉納された。今年は同市上穂町(うわぶまち)区が担当し、住民が協力して花火を手作りするなど準備。同区の氏子ら約200人が、境内に組んだやぐらから滝のように降り注ぐ火の粉を浴びて気勢を上げ、厄を払った。 氏子の若者らは「おいしょ、おいしょ」と声を上げながら境内へ。最初の仕掛け花火で「祝奉納上穂」の文字が浮かんだ後、高さ約10メートルのやぐら上部に取り付けた筒花火の三国から火花が勢いよく噴き出した。火の粉が降り注ぐ中、まといを回したり駆け回ったりする氏子に観客が拍手を送った。 三国はアカマツをくりぬいて火薬を詰める。今月上旬に市内の山から木を切り出して作った。例祭は106回目。上穂町区では祭典青年団の約250人を中心に約1カ月かけて準備した。氏子総代会長の気賀沢徳義さん(74)は「祭りの準備に参加して結ばれた男女もいる。住民が世代を超えて交流できる貴重な機会を大事にし、歴史ある祭りを伝えていきたい」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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