阿部守一知事は25日の県会一般質問答弁で、県短期大付属幼稚園(長野市)の閉園時期を1年延期し、2016年度末(17年春)とする方針を明らかにした。県側はこれまで、来年度以降の入園児は募集せずに本年度の入園児が卒園する15年度末に閉園する方針を示していたが、保護者に不満が強く、県側が歩み寄った形だ。 太田昌孝氏(県民クラブ・公明、長野市)への答弁。阿部知事は今年2月に閉園方針を打ち出すまで、園児の保護者に閉園を知らせていなかった事情があると説明。弟妹の入園を考えている保護者もいるとして「募集停止を1年延期し、来年度の入園児の卒園をもって閉園としたい」と述べた。 県短大をめぐっては四年制化して17年度の開学を目指す県立大構想が進んでいる。阿部知事は「(今後の)県立大の工事に伴い、幼稚園の教育環境の変化が予想される。園を近隣に移転することも含めて検討し、安全確保に万全を期す」とも述べた。 保護者でつくる「県短期大付属幼稚園のびのび保育を未来につなげる会」代表の山田和代さん(40)=長野市三輪=は取材に「一番の望みは存続だったので残念だが、1年延期したことなどは評価したい」と述べた。 県立大構想について、阿部知事は教育課程の競合を懸念する松本大(松本市)側から24日に構想の再検討を求める9万6千人余の署名簿が県と県議会に提出されたことも踏まえ、県立大設置の必要性など、あらためて県民に理解を求めていく考えも示した。服部宏昭氏(自民党、上水内郡)への答弁。(長野県、信濃毎日新聞社)
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