下伊那郡阿智村や下水内郡栄村などで土砂が崩れるなどした台風18号の影響に関し、県と県内市町村が管理する河川、道路など公共土木施設の被害が計73億5685万円に上ることが26日、県建設部のまとめで分かった。25日時点の概算被害額で、計525カ所で確認された。被害は南信、東信に集中し、被害額は過去5年間の災害では最大規模という。県は「できるだけ早期に被災箇所の復旧を図る」としている。 26日の県会一般質問の答弁で、北村勉建設部長が明らかにした。同部によると、県内13建設事務所ごとの被害内訳では、飯田管内は277カ所で被害があり、被害額は32億500万円余。下伊那郡平谷村の国道418号線で路肩崩落、阿智村から同郡阿南町にかけての県道深沢阿南線でのり面が崩れるなどし、全面通行止めが続いている。 佐久管内が被害箇所、被害額ともに飯田に次ぐ規模で、85カ所、12億5400万円余。被害箇所数では上田管内が49カ所で続き、被害額は北信管内が9億2600万円余で3番目に大きかった。施設別では、河川が256カ所で被害が発生して最も多く、被害額も最大の44億9300万円余。阿智村の河内(こうち)川、伊那市の小黒川などの被害が大きかった。続いて道路の被害が大きく、248カ所、24億1300万円余だった。 これとは別に、県林務部によると、山腹崩壊など林業被害額が全県で約27億円に上ることも分かった(被害額は24日現在)。下伊那郡南西部を中心に沢への土砂流入や山腹崩壊、林道の路肩決壊などが発生しており、阿智村で約11億2千万円、阿南町で約8千万円の被害が出たとしている。被害額は今後の調査で膨らむ可能性がある。(長野県、信濃毎日新聞社)
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