長野市の加藤久雄市長は16日、南長野運動公園総合球技場(長野市篠ノ井東福寺)の改修事業費が、労務単価(人件費)引き上げや消費税増税などの影響で、当初見込んでいた71億4千万円から80億円弱に増える見込みと明らかにした。公共工事費の積算に使う労務単価を本年度の単価に見直すよう求めた国の方針などに基づいた対応で、市が2月にプロポーザル(提案)方式で選んだ共同企業体(JV)と協議する中で試算した。同日実施した大規模プロジェクトの現地視察で述べた。 市は、新長野市民会館建設や新市役所第1庁舎建設など、30億円超の事業を大規模プロジェクトと位置付け、重点的に進めている。総合球技場改修もその一つ。本年度の労務単価は県平均で昨年度に比べて18%上昇している。JVは71億4千万円で提案したが、昨年度の単価で積算しているため、市は「旧単価のままでは地域経済に与える影響が大きい」と説明している。 また、加藤市長は大規模プロジェクトの計画内容に無駄がないか検証するための委員会を、市の各種審議会に所属する各分野の専門家を交えて早急に立ち上げる考えも示した。市の景観や産業振興、環境などの審議会の正副会長に参加してもらい、事業費や維持管理費などについて意見を聞く方針だ。 加藤市長は取材に、新長野市民会館建設など他の大規模プロジェクトの事業費も今後増える可能性が大きいとの見方を示したが、金額には言及しなかった。加藤市長は、事業費を抑えられるか検討するとした上で「市民に情報を公開し、将来に不安を与えないように考えている」と述べた。 この日は10事業のうち、8事業の現地視察をした。小中学校耐震化と第四学校給食センター建設の視察は今後行う予定。(長野県、信濃毎日新聞社)
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