サッポロホールディングス子会社のサッポロライオンは18日、「銀座ライオン」など運営するレストランや居酒屋69店舗の計112商品でメニュー表示と異なる食材を使用する虚偽表示があったと発表した。このうち県内では、経営する松本市深志2の中華料理店「中華料理翠香園松本店」で、メニューの「チリ鮑(あわび)の醤油(しょうゆ)煮」にロコ貝(アワビモドキ)を、「芝海老(えび)チリソース」「芝海老の四川唐辛子炒め」などにバナメイエビをそれぞれ使っていたとした。
サッポロライオン経営戦略部は「食品表示に対する担当者の認識が不足していた」としている。
同部によると、中華料理翠香園松本店で醤油煮を商品化した2003年1月の段階ではロコ貝をチリ鮑と表示することに法的な問題はなかったが、03年3月に日本農林規格(JAS)の規定が改定され、ロコ貝またはアワビモドキと表示するよう定められた。しかし、店舗の担当者が規定の変更を把握しておらず、当初の名称を使い続けていた。全国のホテルや百貨店で食品の虚偽表示が相次いだことを受けて社内調査をし、今月5日に誤りが判明。その後、この商品の提供を中止している。
バナメイエビを「芝海老」として使い始めたのは11年4月から。同部は「小形のエビを慣例で芝海老と呼んでおり、店の担当者がそのまま商品名に使ってしまった。表示に対する理解が足りなかった」とする。誤りが発覚した今年10月29日以降、商品名を「芝海老」から「海老」に変更している。
中華料理翠香園松本店ではこれらの商品の購入がレシートで確認された利用客に、商品相当額の食事券を渡す。サッポロライオンは県内ではほかに、安曇野市で「銀座ライオン安曇野スイス村店」も経営しているが、現在のところ誤表示は確認されていないとしている。
問い合わせ先は無料のお客様専用窓口(電話0120・053036)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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