信州大(本部・松本市)は28日、現在の高校1年生らが受験する2016年度入試の選抜方法について、15年度との変更点を発表した。医学部医学科で後期日程を廃止し前期日程のみとするほか、理学部4学科で実施している推薦入試と書類や面接を重視するAO(アドミッション・オフィス)入試を廃止する。 医学部によると、全国的に医学部医学科の後期日程を廃止する大学が増え、実施している信大などに受験生が集中している。消極的に信大を選んだ場合、学習意欲が劣る傾向があるとして、第1志望の学生を多く集めようと受験機会を1回に限ることにした。 募集定員は、後期日程45人と前期日程55人を統合し、計100人とする。県内高校生が対象の推薦入試「県内枠」(定員20人)は続ける。医学科入試委員長の瀧伸介教授は「信大に入りたいという学生を集めれば、県内に残って地域医療に貢献する医師も増えるのではないか」とみる。 理学部は、推薦入試とAO入試で意欲ある学生を集めてきたが、「知識を積み上げる数学や物理は意欲だけではついてこられない」(武田三男学部長)として、数理・自然情報科学科のAO入試、化学科と物質循環学科のセンター試験を課さない推薦入試、物理科学科のセンター試験を課す推薦入試を廃止する。 また、15年度入試では、新学習指導要領で12年度から大幅に変わった数学と理科について、履修していない現在の高校3年生らが不利にならないよう配慮する措置をセンター試験と2次試験で行う。(長野県、信濃毎日新聞社)
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