上伊那地方の天竜川で1日、ざざ虫漁が解禁された。快晴のこの日、上伊那郡箕輪町の自営業小森一男さん(72)は伊那市と同郡南箕輪村境の天竜川で自作の四つ手網を仕掛けたが、台風などの影響か、捕れた数は少なめという。 ざざ虫はトビケラ、ヘビトンボなどの幼虫の総称。体長1~5センチで、川底の石の裏にいる。小森さんは網を下流側に固定すると、くわで石をひっくり返し、長靴の底に付けたかんじきで虫を落として網に入れていった。この日捕った分は甘露煮にして酒のつまみにするという。 小森さんは例年、自宅近くの天竜川でざざ虫漁をしていた。今年はすぐ上流で河川工事をしているため場所を移した。工事や台風があると、砂利が川底と石の間に詰まったり、石がめくれたりして、虫がすめなくなるという。「この時期になると、ざざ虫を食べるのを楽しみにしている知人も多い。場所を変えながら気長に捕りたい」と話した。 ざざ虫漁には、天竜川漁業協同組合(伊那市)発行の「虫踏許可証」が必要。漁期は来年2月末まで。(長野県、信濃毎日新聞社)
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