樹木の枝に寄生して生育状態を悪化させる常緑低木「ヤドリギ」を使ってクリスマスリースを作る教室が1日、松本市内で開かれた。ヤドリギを有効活用して伐採を促そうと松本市のNPO法人が始めた「ヤドリギプロジェクト」の一環で、初めて企画。3回の教室に計約20人が参加し、枝や実をふんだんに使ったオリジナルのリースを作った。 材料には、11月下旬に市内の中条保育園のケヤキから伐採したヤドリギを使用。枝を長さ15センチほどに切り、ヒノキやラベンダーなど他の6種類の枝と組み合わせて、直径約20センチの円形の土台に巻き付けていった。最後にヤドリギの黄色い実をあしらい、約2時間で完成させた。 指導した同プロジェクトのメンバーで「花屋 ことの葉」(松本市)代表取締役の井口尚子さんは「ヤドリギはリース材料として代用が利かない独特の存在感がある」と評価。受講した団体職員中山聡美さん(同)は「ヤドリギの名前は知っていたが実物は初めて見た。街中を歩く時は探してみたい」と話していた。 ヤドリギは、鳥のふんを介して種が枝に付いて発芽。数十年かけて直径1メートルほどの球状になり、寄生した樹木の生育状態を悪化させるが、伐採に費用がかさむため多くが放置されている。同プロジェクトは伐採の費用負担の軽減を狙いに、NPO法人「森林風致計画研究所」(理事長・伊藤精晤信州大名誉教授)が企画。今回の教室の受講料も伐採などの経費に充てる。(長野県、信濃毎日新聞社)
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