冬の安曇野にも来て―。毎年秋に工房やギャラリーを一斉に公開する「安曇野スタイル」に参加している安曇野市と北安曇郡池田町、松川村の工芸家らが、一帯で冬場も営業している施設の地図とウェブサイトを作った。北アルプス山麓の飲食店や工房、美術館は冬は休業―という先入観をなくし、製作体験会などの情報を提供して冬の景色も楽しみに来てもらおうという狙いだ。 有志10人が、12、1、2月も頑張る意味を込めた「あづみの1212(いちにいちに)の会」を発足。「あづみの冬もやってMAP」と名付けた地図はA3判、カラー刷りで、冬場も利用できる54の施設をクラフト、レストラン、宿泊所などに分類し、住所、電話番号、定休日を記載した。北アの冬景色など、会員お薦めのビュースポットも紹介している。 1212の会のウェブサイトには、施設の情報を写真とともに掲載。当日、翌日の天気予報に加え、雪が降った時は道路の状況を写真で伝える予定だ。 代表の木工作家宇田川隆さん(55)=安曇野市穂高有明=によると、冬の来客はゴールデンウイークや夏休みの1~2割。集客力のある安曇野ちひろ美術館(松川村)などが冬季休館するほか、積雪などで行きづらいのではないかと敬遠されるという。 だが、「営業している店は結構多い」と宇田川さん。「冬は作家も落ち着いて客と向き合える。できれば宿泊し、ゆっくり安曇野を楽しんでほしい」と話している。地図は各施設と観光案内所で配布し、ウェブサイトからも印刷できる。(長野県、信濃毎日新聞社)
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