参院で審議中の特定秘密保護法案をめぐり、信濃毎日新聞社は2日、県関係参院議員7人の考えをまとめた。法案への賛否は、現時点で自民党議員3人のうち2人が賛成、1人が「どちらとも言えない」と回答。民主党は4人全員が反対とした。今国会での参院審議が十分かどうかについても、自民の2人が「十分であり、会期内に成立させるべきだ」、1人が「どちらとも言えない」と回答したのに対し、民主の4人は「不十分であり、今国会にこだわる必要はない」とした。 同法案をめぐっては、秘密指定の妥当性をチェックする第三者機関の設置や公務員と報道関係者の接触をめぐる規範新設などで政府答弁や見解が揺れ動き、法の運用をめぐる曖昧さが指摘されるなど、政府による恣意(しい)的な運用への懸念が出ている。このことについて、民主党議員は法案の不備などを指摘。自民党議員も国民に不安があるなどとした上で、見直しや補強の必要性に触れた。 法案が成立した場合、国民の知る権利や言論の自由といった市民生活への影響については、民主党の4人が「ある」と回答し、自民党の3人は「ない」とした。 与野党協議で修正され参院に送られた法案について、賛成としたのは自民党の吉田博美氏(県区)と小坂憲次氏(比例)。若林健太氏(県区)は中国の防空識別圏設定など「日本を取り巻く防衛環境は変化しており、情報管理は強化しなければならない」と強調。ただ、審議が継続中として、賛否については「どちらとも言えない」とした。 全員が「反対」と回答した民主党の4人のうち、北沢俊美氏(県区)は「国民の知る権利が制約され、法案の中身自体が未成熟だ」と批判。津田弥太郎氏(比例)は秘密指定の範囲や妥当性のほか「情報公開促進などに問題がある悪法だ」とした。 市民生活への影響について、小坂氏は秘密指定の妥当性をチェックする「第三者機関」の具体化など政府の恣意的な運用を排除することで「国民の不安を解消し、市民生活へ影響が出ないよう運用していくことが大事だ」と説明。一方、民主党の羽田雄一郎氏(県区)は「国民が知るべき情報が恣意的に保護され、破棄されることも起こりうる」などと指摘した。 参院での審議について、吉田氏は特別委員会の審議を朝晩まで延ばすなど「できるだけ十分な審議時間を確保することが必要」とした上で、今国会の会期内成立を主張。小坂氏も同様の考えを示した。若林氏は「論点などが出尽くすまで議論をするべきだ」とし、「どちらとも言えない」とした。民主党は柳沢光美氏(比例)が「民主主義の根幹に関わる法案であり、臨時国会のどさくさの中で通してはいけない」などと批判した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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