松本ハイランド農協(本所・松本市)と東日本大震災被災地の宮城県石巻市に本所があるいしのまき農協は12日、大規模災害時に物資を融通し合うことなどを盛った「姉妹JA協定」を結んだ。農産物販売や役職員の研修訪問などでも連携する。松本側は、被災地の農業復興を継続支援する狙いも込めた。 松本ハイランド農協の役員ら9人が、同県松島町のホテルで開いた協定締結式に出席。同農協の伊藤茂組合長(63)と、いしのまき農協の石川寿一組合長(65)が協定書に署名し、両地域の工芸品を交換した。伊藤組合長は「結婚の縁組のような提携を機に末永いお付き合いを」とあいさつし、役職員や組合員から募った義援金100万円を渡した。 いしのまき農協管内の石巻市、東松島市、女川町では、震災で水田計1万2千ヘクタールのうち3800ヘクタールが津波の被害を受け、うち約4割が現在も耕せないでいるという。石川組合長は「石巻がかつての姿を取り戻すために手を取り合っていきたい」と期待した。 協定締結は、昨年夏に両農協の女性部がスコップを打ち鳴らす「スコップ三味線」の演奏活動で交流を始めたことがきっかけになった。松本ハイランド農協女性部長の武井久枝さん(69)=松本市入山辺=は「今後も互いに心を通わせたい」と話していた。 県農協中央会によると、県内農協が県外農協と災害時の応援を含む協定を結ぶのは珍しい。(長野県、信濃毎日新聞社)
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