諏訪地方の冬の風物詩、角寒天作りが12日、茅野市で始まった。同市宮川の五味喜一商店は生寒天を水田の干し場に並べる「天出し」作業を開始。小雪の舞う中、北海道や青森県などから働きに来た13人が作業に精を出した。 むしろを敷いた板に、海藻のテングサとオゴノリの煮汁を固めてた生寒天を並べた。凍った時に形が崩れないよう、無数の針が付いた板を押し当て、表面に小さな穴を開ける。この日は約1万5千本を並べた。凍結と氷解を繰り返し、2週間ほどで水分の抜けた白い角寒天になる。 角寒天作りは、高冷地の厳しい寒さと乾燥した気候を生かした伝統産業。例年2月ごろまで続くが、近年は温暖化の影響で作業できる日数が少なくなっているという。同店は例年並みの100万本を生産予定。専務の五味昌彦さん(55)は「厳しい冷え込みに期待したい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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