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増税…家計に寒風 税制改正大綱、県民から不安の声

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 12日決まった2014年度与党税制改正大綱は、来年4月から8%への消費税増税が実施される中、懸案となっていた生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率をいつ導入するかが不明確なままで、県内の消費者からは負担増を懸念する声が上がった。半面、軽減税率の対象範囲が広がると、消費税増税による増収分を充てる計画の社会保障施策が手薄になることを懸念する人もいる。  12日、松本市出川のスーパー、ユー・パレット南松本店。夫と買い物に訪れた松本市波田のパート従業員伊藤永子さん(52)は息子、娘と4人暮らし。「食料品の値段が上がっても買わない選択肢はない」と消費税増税による負担増を心配。軽減税率の対象品目や導入時期について「早く決めてほしい」と求めた。  病気を患い、長野市内の家賃2万円台のアパートに1人で暮らす無職男性(60)は「負担だけが大きくなってしまう」。ガスは止まったままで、カセットこんろで野菜の鍋を作って切り詰めている。消費税増税に伴う低所得者対策として政府は1人1万円の一時金を支給するが、「それだけで十分だろうか」と言う。10月分から既に公的年金支給額の引き下げも始まっており、軽減税率導入の時期がはっきりしないことに、「本当に社会保障が充実するのか」。将来の生活が見通せずにいる。  政府は消費税率引き上げによる増収分は年金、医療、介護、子育ての4分野で使う方針で、来年度の増収は5兆1千億円を見込む。軽減税率適用で食料品などの消費税率を軽減すれば、その分だけ減収になる。  上伊那郡箕輪町で宅老所を運営するNPO法人の小笠原今朝美代表は、消費税増税とともに厚生労働省が進めている介護保険制度の見直しを気に掛けている。「軽減税率が適用されて国の収入が確保できなければ、結果的にサービスを利用できなくなる人が出てきかねない」と話す。  千曲市の主婦桑原香織さん(36)は、3歳の子どもの子育て中。食材を買う際は、グラム当たりの単価を考えているといい、「軽減税率が食料品に適用されればありがたい」と素直に思う。半面、「税収が減って、子育て支援が拡充されないのではないか」と心配する。いずれ働きに出たいと考えており、「若い世代が安心して子どもを生み育てられる社会が必要。軽減税率はメリットとデメリットがあるように思う」と戸惑った。(長野県、信濃毎日新聞社)


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