16日に合格者発表があった県立中高一貫校の屋代高校付属中学校(千曲市)と諏訪清陵高校付属中学校(諏訪市)の入学者選抜。発表会場で塾関係者と抱き合って喜ぶ保護者もおり、塾の存在をあらためて示した。不合格になった児童へのケアが課題となるが、「教室内の指導には限界がある」とする小学校教諭も。そうした場面でも塾が一定の役割を果たす現実がある。 「(6年で)清陵付属中を受けた8人全員が不合格だった。今晩中に電話をして励ます」。諏訪地方の小学校で6年生が担任の40代の男性教諭は、こう話した。児童から事前に合格番号を聞いてあり、清陵付属中のホームページで合否を確認した。落ちた児童へのケアが課題に感じる。 自分が受け持つ学級の3人は、この日の落胆から立ち直れるよう卒業まで見守っていく考えだが、「受けたことを周りに知られたくない児童もいる。教室内での指導には限界もあるように感じる」。 屋代付属中を受けた児童のいる北信地方の小学校教頭は「児童との日記で担任が励ましの言葉を付け加えたり、地元の中学校での目標を確認したりするが、受けた児童を特別扱いしないようにしている」と話す。 県内で「いずみ塾」を展開するアイキューブ(茅野市)は屋代付属中を受けた塾生の対応にも力を入れてきた。同社教務・出版担当の鈴木崇仁さん(39)は「塾生の個別対応はもちろん、保護者の方が落ち込んでいるケースも少なくない」と指摘。懇談会などを開いてじっくり話を聞いたり、3年後の高校入試に目標を切り替えさせる指導をしたりしているという。(長野県、信濃毎日新聞社)
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