松本市の丸ノ内中3年生が17日、手作りした真綿を使い、地域の伝統的な手法ではんてんを作った。昔の人の知恵を次世代に伝えようと、家庭科の授業で昨年から取り組んでおり、この日の作業でほぼ完成。生徒たちは「はんてんを着て受験勉強を頑張りたい」とうれしそうだった。 この日は3年生約100人のうち3年2組の30人余が作業。布の上に真綿を引き伸ばして広げ、その上に綿の一部をちぎったり、折り畳んだりして置いた。真綿は、生徒たちが昨秋の授業で繭を煮て伸ばして作り、保管していた。残りは襟や袖の仕上げのみで、1月には着られる。 同校の杉原慶子教諭(44)が地域のお年寄りに作り方を習い、製糸業が盛んだった地域の歴史も知ってもらおうと始めた。昨年の3年生もはんてんを作ったが、真綿から手作りしたのは今年の3年生が初めて。 西山瑠奈さん(15)は「真綿を伸ばすのが難しかったが、形になってよかった」。杉原教諭は「昔の人の物づくりへの思いを感じ、大事にしてほしい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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