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富士見中生徒自殺「いじめあった」 調査委報告書

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 諏訪郡富士見町の富士見中学校3年の男子生徒=当時(14)=が5月に自宅で自殺した問題をめぐり、町教育委員会が設置した第三者による調査委員会は27日、報告書の内容を公表した。校内でいじめがあったと認めた上で、それ以前に友人らに何度も「死にたい」と漏らしていたことや、自殺との関連を疑わせる他の「個人的出来事」の存在を指摘。いじめが自殺の直接の原因になったと判断することは困難としている。  報告書によると、男子生徒は5月の大型連休明け以降、休み時間に学校のベランダで、他の生徒から1日1回、計10回以内程度、勢いよく頬をびんたされており、調査委は「いじめと評価せざるを得ない」とした。  一方で、男子生徒は中学1年の頃から周囲の生徒に度々「死にたい」と話していた。生徒が書いた自己評価表や言動などからは、3年生の時点では自らを価値ある存在と思う「自己肯定感」が著しく低くなっていたことがうかがえるという。  また、3年になって間もなく、いじめとは別に、自殺の「大きな引き金」になった可能性がある出来事が別の生徒との間で起きたと説明。5月の大型連休明けのテスト結果が悪かったことも「引き金の一つになった可能性が少なくない」と位置付けた。  いじめについては、こうした他の要因と合わせ「引き金になった可能性を否定することはできない」とするにとどめている。  調査委は、男子生徒が生きる気力を失いかけていた所にこれらの出来事が重なった―と分析した。  「提言」では、男子生徒が自殺をほのめかす言動を友人らに数多くしており、3年の4月初め以降は内容が「エスカレートしていた」と指摘。一方で、教員ら大人には一切気付かれていなかったとし、周囲の子どもたちが自殺のサインに気付き、教員らに伝えることができるような自殺予防教育が必要とした。親が子どもの気持ちに共感し、自己肯定感を高めることも求めた。  町役場で記者会見した調査委員長の毛利正道弁護士(岡谷市)は「これ以上、自殺の原因を明確にすることは不可能というところまで明らかにできた」と話した。  男子生徒は5月17日朝、自宅で自殺しているのが見つかった。身に付けていた携帯型音楽プレーヤー内に遺書のような文章があり、複数の生徒の名前が書かれていた。両親は「他の生徒との間にいじめを疑う要素があった」として町教委に真相を明らかにするよう求め、6月に弁護士や児童精神科医らによる調査委が発足。全校生徒を対象にアンケートを行うなど、調査を進めていた。(長野県、信濃毎日新聞社)


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