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高橋節郎芸術の全貌 4月安曇野、12月長野で特別展

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 安曇野市出身で文化勲章受章の漆芸家高橋節郎(せつろう)さん(1914~2007年)の生誕100年に当たる今年、同市の安曇野高橋節郎記念美術館などでつくる実行委員会が4月から、同市、愛知県豊田市、長野市で特別展を開く。漆作品の代表作のほか、未公開のスケッチなどもあり、高橋さんの人物像と芸術の全貌(ぜんぼう)がうかがえるこれまでにない規模の作品展として準備が進んでいる。  安曇野市では4月26日~6月1日、同館と市豊科近代美術館で計約150点を展示する。東京国立近代美術館所蔵の「日岡月岡(ひおかつきおか)」(1989年)、東京芸術大学大学美術館所蔵の「澄高(ちょうこう)」(90年)といった漆作品約80点のほか、1970(昭和45)年から晩年まで過ごした東京都練馬区の自宅アトリエに残っていた未公開のスケッチや未完成の漆作品も公開する。  スケッチからは、自由な発想力や作品を作る過程の試行錯誤がうかがえるという。若いころに描いたとみられる自動車や宇宙船の絵もある。  展示作品を一部変えながら、高橋さんが多くの作品を寄贈した豊田市にあり高橋節郎館を併設する同市美術館で7~9月、長野市の県信濃美術館では12月~2015年1月に予定する。  安曇野高橋節郎記念美術館学芸員の三沢新弥さん(41)は「欧州の影響を受け前衛的な若いころ、実用を離れ華やかな漆作品を確立した時期、黒と金だけの表現に行き着いた老年期など、作風の変遷が分かる貴重な機会」と話している。  高橋さんは、シュールレアリスム(超現実主義)など欧州の美術潮流に刺激を受け、漆で絵画的な作品を制作し、伝統工芸の漆工で現代美術の分野を開拓した。76~82年に東京芸大教授、97年に文化勲章を受章。83年から信州美術会会長を務め、96年に第3回信毎賞を受賞している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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