佐久市田口の新海三社神社で6日、豊作を願う江戸時代からの伝統行事「御田植祭(みたうえさい)」が行われた。神主と氏子計12人が水田に見立てた神楽殿で「あぜ塗り」や「餅つき」など米作農家の一年間の作業をユーモラスに舞う「御田植神楽」を奉納した。 神楽は、泥を塗ってあぜの水漏れを防ぐ「あぜ塗り」で開始。神職がキツネ役の氏子を率いて、まるで作業をしているように先端に餅を刺した棒を振るった。2人は「ああすっかり、ああべったり」と声を掛け合って舞い、氏子が前を行く神職に「ペースが速い」と文句を言うと観客から笑いが起こった。 おかめなどの面を着けた氏子たちが一列に並んで行う「田植え」では、松葉を苗に見立てて約6メートル四方に点々と置いた。締めくくりの「餅つき」が済むと、本物の餅とミカンが観客に配られた。 初めて見物に訪れたという佐久市平賀の谷口富美子さん(60)は「以前からずっと見たいと思っていた。楽しく、周りのみんなも笑っていて心がほっとした」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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