松本市の中心街で開いた商業の催し「松本あめ市」で12日、市民らが武田信玄、上杉謙信の両軍に分かれて綱を引く「塩取合戦」があった。戦国時代に上杉軍が敵の武田軍に塩を送った故事にちなんだ攻防を、取り囲んだ大勢の観客が歓声を上げて見守った。 両軍150人ずつで対戦した昨年は綱の一部が切れるハプニングがあったため、一度に引く人数を減らした。上杉軍は本町1丁目、武田軍は本町2丁目のみこしの担ぎ手を中心に、1回目は男性客、2回目は女性客が加わって計50人ずつ、3回目は担ぎ手だけ40人ずつで対戦した。 武田軍は赤、上杉軍は青の鉢巻きをし、威勢よい掛け声とともに綱を引いた。商店主らが武士などの格好でもり立て上杉軍が2勝1敗で勝利した。子どもの対戦もあった。 都内で会社を経営する塚越久寿さん(49)は、この10年ほぼ毎年帰郷して上杉軍に参加。「これをやって1年が始まる。久しぶりに勝ち、いい年になりそう」と喜んだ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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