南海上を急速に発達しながら進んだ低気圧の影響で8日に県内全域で降った雪は、同日午後11時までの24時間降雪量で、松本が全国で2番目に多い49センチとなった。松本は過去3番目の水準で、飯田も2001年の50センチに次ぐ過去2番目の水準となる33センチを記録。高速道は中央道、長野道、上信越道の県内区間が一時すべて通行止めとなり、鉄道は中央東線の特急あずさ、スーパーあずさが午前の一部を除いて運休。長野新幹線も一時運転を見合わせて上下線に遅れが出るなど、県内の高速交通網は一時まひ状態となった。 安曇野市内のJR大糸線の踏切で8日正午すぎに発生した列車とトラックの衝突事故では、トラックの運転手が死亡。伊那市内では除雪中にトラクターの下敷きになって1人が死亡した。県内各地でスリップ事故も相次いだ。このほか、県危機管理部と松本市によると、除雪中の事故などで少なくとも4人がけがをした。 松本市は8日午後1時、積雪量が基準値の30センチを超えたため、市大雪対策本部を市役所に設置。同3時から対策本部会議を市役所で開き、被害状況を報告した。同市が大雪対策本部を設けるのは03年1月以来。松本の1日降雪量の過去最大は011月の63センチ、2番目は1998年1月の56センチ。 長野新幹線は、大宮駅構内のポイント故障の影響で上り線が午後2時48分から約1時間50分間、東京駅構内のポイント故障で上下線が午後7時17分から約1時間20分間、それぞれ運転を見合わせ、計6200人に影響が出た。JR飯田線は午後4時20分以降、飯田―辰野間の上下線の運行を取りやめた。同区間は9日も終日運転を見合わせる。中央東線は9日午前8時新宿発松本行きのスーパーあずさ5号を運休する。 長野地方気象台によると、8日午後11時までの24時間降雪量は開田高原44センチ、白馬37センチ、大町37センチ、諏訪29センチ、長野28センチ、飯山20センチなど。全域で9日明け方にかけて大雪となるもののピークは越え、低気圧の通過とともに南部から徐々に弱まる見通し。 10日午前0時までの24時間の予想降雪量はいずれも多いところで中野飯山地域25センチ、大北地域の平地で10センチ、長野地域の平地で5センチなど。同気象台は中野飯山地域を除く全域に出していた大雪警報を8日午後10時10分に注意報に切り替えた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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