ライバルで同僚でもあるWエースが、3度目の五輪で目指した悲願の頂点。10日から11日にかけてのスピードスケート男子500メートルで、加藤条治選手(29)は5位、長島圭一郎選手(31)は6位。同じ所属の上條有司選手(27)も上位につけられなかった。メダルは逃したものの、3人の所属先などは最後まで各選手の滑りに声援を送った。 長島、加藤、上條の3選手が所属する日本電産サンキョー。諏訪郡下諏訪町の本社では10日深夜から11日未明にかけ、社員やOBら約230人がホールの大型スクリーンでレースを見守った。メダルには手が届かなかったが、全力を尽くした滑りに対し、拍手がホールを包んだ。 11日午前1時すぎ。結果が出ると、安川員仁(かずよし)社長(63)は「日本勢初のメダルを期待していたが、残念」とさすがに落胆した面持ち。ただ「力は出し切ってくれたと思う」と選手をねぎらった。 会場全員での「フレフレ、サンキョー」の掛け声で始まった応援。10日午後10時すぎから上條選手ら日本勢が次々に登場すると、同社スケート部のユニホーム姿の社員が壇上で「上條」「加藤」「長島」とコールした。「必勝」の鉢巻き姿の社員らが日の丸の手旗を振り、「いけー」と声を張り上げた。 長島選手と同期入社の津嘉山葉さん(31)は、選手一人一人の写真を印刷して会場に持参し、「結果よりも、大会を楽しんで、全力で滑る姿を見せてほしい」と見守った。 レース後、同社スケート部の大久保義則部長(61)は「残念」と一言。「これが五輪の厳しさ。(選手たちには)お疲れさまと言ってあげたい」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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