下伊那郡阿智村園原の信濃比叡広拯院(こうじょういん)で11日、無病息災などを祈る恒例行事「火渡り護摩」が行われた。お札や護摩木を燃やしたおきの上を、行者に続いて観光客や地元住民らが願いを込めながら素足で歩いた。 会場となった境内の広場は、先週末に降った雪に覆われていた。約2メートルの高さに積み上げられたヒノキやスギの枝葉に火が放たれると、勢いよく白煙と炎が上がり、行者たちは願い事が記された護摩木を放り込んでいった。 火は40分ほどで小さくなり、おきは約3メートル四方の広さに延ばされた。まだ煙が出ているおきの上を村上光田(こうでん)住職(81)や行者が掛け声とともに素足で渡ると、観客から大きな拍手が起こった。 続いて住民や観光客たちも素足になり、手を合わせたりしながらおきの上を渡っていった。阿智村智里の熊谷心(しん)ちゃん(3)は「思ったより熱くなかった」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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