松本市の浅間温泉観光協会や市内の環境団体などでつくる「松本浅間温泉地域環境モデル推進協議会」は3月1日、廃食油で作るバイオディーゼル燃料(BDF)を軽油に5%混合したディーゼルエンジン用の燃料「B5」の販売を始める。浅間温泉にある松本シェル石油浅間給油所に販売を委託する予定で、一般の給油所でBDFを使った燃料を販売するのは県内で初めてとしている。 使用するBDFには、浅間温泉の宿泊施設などで出た廃食油も使われており、推進協の山本浩司会長(61)は「エネルギーの地産地消を実現したい」と話している。販売対象は当面、同協会加盟の14の宿泊施設が保有するマイクロバスだが、将来は地元住民にも広げたいとしている。 同給油所に容量600リットルほどのB5専用給油機を設置する。各宿泊施設のマイクロバスは計十数台で、B5使用量は年間1万4千リットルを見込む。 松本地方で年8万リットルの廃食油を回収している「寿バイオ」(塩尻市)が製造するBDFを使い、県外でB5に精製。価格は軽油より割高の見込みだが、廃食油の回収量が増えれば値下げも可能という。 推進協は「環境に優しい温泉地」を目指して2012年に発足。同11月にマイクロバス2台でB5の実証実験を始め、走行などに問題はないと判断した。実験では手作業で給油したが、ほかのマイクロバスも利用できるよう、同給油所に協力を求めて給油機設置を決めた。県の地域発元気づくり支援金を活用した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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