記録的な豪雪になった県内各地で水道メーターを検針できない状況が起きている。契約者の住宅・事業所の敷地内に埋設されたメーターが雪で隠れたためだ。観測史上最大の積雪81センチを記録した飯田市内では、今月の検針対象約2万800件のうち約400件が検針できない見込みで、市水道業務課は「これだけまとまって検針できなかったことは今までなかった」としている。 飯田市では民間の「水道料金お客さまセンター」の検針員約30人が各契約者のメーターを確認。今月はメーター上に大量の雪が残っている家が多い上、「山間地では検針場所にもたどり着けない状況」(小野精一センター長)だ。 市水道業務課によると、検針のできなかった契約者には連絡した上で、前年同時期の実績などを基に推定した使用水量で料金を請求する予定。次回の検針で正確な使用量を把握し、料金を調整して精算する。 茅野市でも14日以降、水道メーターの検針をできなかった事例が約220件あった。国道20号で立ち往生する車が相次いだ金沢地区や蓼科高原、白樺湖周辺で目立った。 上田市や須坂市などでも水道メーターの検針をできない地区があった。伊那市が検針業務などを委託している「ジェネッツ」伊那営業所によると、2月検針分の1万8548件のうち、現時点で5040件が雪や凍結の影響で検針できていない。 給水戸数が約11万件に上る松本市上下水道局は「(大雪で)慣れた検針員でも、どこにメーターがあるのか分からない状況だ」という。2月前半が検針対象の約5万8千件のうち、検針ができないため使用水量を推定で出す件数は約5千件。昨年2月(約700件)の約7倍に上る。(長野県、信濃毎日新聞社)
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