松本市中央の宮村町1丁目町会は1日、近くの深志神社の例大祭で引き回す舞台(山車)の解体修理をするため、「魂抜き」の神事を同神社で行った。同町会を含め神社周辺の16町会は市重要有形民俗文化財の舞台を所有。1999年以降、各町会が進めてきた「平成の舞台修理事業」は、同町会の舞台の修理で完了となる。 宮村町1丁目町会の舞台は木造2階建てで、明治20年代ごろに造られた。彫刻などはなく、シンプルなのが特徴という。2階部分に須佐之男命(すさのおのみこと)の人形を飾り付けてある。これまでに2回、大きな修理をした。 今回は1階部分を漆塗りにし、舞台を解体して劣化した部分を交換する。この日、作業に着手した。7月中旬ごろに完成させて「魂入れ」の神事をし、7月下旬に開かれる例大祭で引き回す予定。費用は約650万円を見込み、半分は松本深志舞台保存会に対する市の補助金で賄う。 神事には、町会の約30人が出席した。伴吉宏会長(69)は「漆塗りにすることで木目が生かされ、きれいになると思う」と期待。深志神社権禰宜(ごんねぎ)の小林義幸さん(55)は「舞台は伝統文化。修理で姿形や中身がしっかりし、舞台の行事が末永く続く」と話していた。 「平成の舞台修理」は、傷みが激しい舞台を持つ町会から順次着手し、車輪や車軸などを直しており、宮村町1丁目だけが済んでいなかった。(長野県、信濃毎日新聞社)
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