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通学・通院の足にズシリ 県内鉄道運賃値上げ

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 消費税率が5%から8%に切り替わる4月まで1カ月を切り、税率の引き上げ分を運賃に上乗せする方針のJRや県内私鉄各社が、駅構内や自社のウェブサイトで新運賃の案内を始めている。通学や通院などで身近な鉄路に頼る人たちにとって負担感は小さくなく、戸惑う声もある。事前に定期券を買ったり、他の支出を減らしたりして増税に備える動きも出てきた。 [通学]  週末の2月28日朝、上水内郡飯綱町のJR牟礼駅。近くの北部高校に通う生徒らが次々と信越線を降りた。駅舎内には、運賃値上げを知らせるポスターに加え、4月1日から有効の定期券は3月18日から買える―との案内がある。3月末までに買えば消費税率は5%のため、6カ月定期を使って長野駅(長野市)から乗る1年生の男子(16)は「税率が上がる前に新しい定期を買うつもりです」と話した。  長野市の2年生の男子(17)は増税を控え、洋服などの購入を我慢。自宅最寄りの三才駅(同)から利用し、定期券代は、飲食店でのアルバイト収入(月約6万円)から捻出する。4月からは1カ月分が140円上がって5150円。収入のうち2万円は食費などとして親に渡しており、他に携帯電話代が1万~1万5千円ほど。「高校生にとっては100円だって痛い」  松本市の短大1年生の男子学生(19)も、月千円ほどの書籍代を削るつもりだ。コンビニエンスストアのバイト収入は月約4万円。安曇野市の自宅に近いJR大糸線南豊科駅からアルピコ交通上高地線北新・松本大学前駅まで松本経由で通うが、3カ月分の定期券代は1070円増えて計3万8530円になる。「交通費は削りようがない」と嘆く。 [通院]  年金収入が頼りのお年寄りにとっても値上げは痛手だ。年金支給額は、昨年10月分から来年4月分まで段階的に2・5%引き下げられていくからだ。  「負担だけ増えて本当に困る」。上水内郡信濃町の1人暮らしの女性(75)は嘆く。膝が痛くて飯綱町の飯綱病院に通うが、原付免許しかなく、寒さの厳しい冬場は公共交通が頼り。通院では信越線古間(信濃町)―牟礼間を信越線に乗るが、運賃は10円増の200円になる。  上田市保野の農業保屋野利雄さん(86)も「仕方ないが、値上げ分は節約するしかないね」。2日に1回ほど、最寄りの上田電鉄塩田町駅から別所温泉駅まで別所線に乗って共同浴場を訪れるが、運賃は10円増の220円になる。なるべく自分で栽培した野菜を食べるようにするという。 [通勤]  増税は通勤や出張の足にも影響する。長野新幹線で佐久平駅から大宮駅(さいたま市)まで通う佐久市の国家公務員男性(54)は、3カ月分の定期券代が9140円上がって32万9280円になる。通勤手当には上限があり、現在も3分の1ほどは自己負担だが、増税分はそのまま上乗せとなる。「どうするか考えないと…」と困惑する。  月2、3回、出張で中央東線特急を使って岡谷市内を訪ねる都内の会社員男性(48)は、会社から経費節減を求められており、「3月中の回数券の買いだめを会社に提案してみる」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)


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