ロンドン五輪に総合馬術で出場した上水内郡小川村出身の佐藤賢希(けんき)さん(28)が住職を務める長野市中条の慈眼山広福寺(じがんざんこうふくじ)(曹洞宗)で11日、住職になるための儀式「入山式」が開かれた。佐藤さんは昨年3月から同寺の住職を務めているが、馬術の練習などのため入山式が行われていなかった。信徒ら100人余が集まり、新住職の入山を祝った。 「僧侶ライダー」と呼ばれ、馬術と仏門を両立する佐藤さんはこの日、他の僧侶らに付き添われて108段の「煩悩を消す階段」を上って寺に入り、「聖観音(しょうかんのん)」に入山を報告。信徒の健康や繁栄を願って観音経を上げた。 同寺は佐藤さんの生家である小川村の明松寺(みょうしょうじ)の末寺。59年間、住職がいなかった。現在は中条地区と同村の計約160軒の信徒がおり、佐藤さんが五輪に出場する際も広福寺に信徒が集まり必勝祈願祭を開くなどして応援した。 総代長で、元中条村長の久保田元夫さん(77)は「素晴らしい住職がようやく見つかり安心した。馬術も応援したい」。佐藤さんは「由緒ある寺の住職として今後も精進する」と感慨深げ。「信徒の皆さんにいろいろと教わりながら、馬術と両立させたい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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