県は14日、学校法人成城学園(東京)が県有林を教育に使用するための連携協定を結んだ。ネーミングライツ(命名権)制度を活用し、学園が県に命名権料を支払って県有林の一定区域を「成城学園の森(仮称)」とし、同学園の児童生徒が自然に親しむ場とする。県林務部は、ネーミングライツ制度を使って公有林を教育の場にするのは全国初としている。 対象の県有林は、同学園創立者で京都帝国大総長などを務めた沢柳政(まさ)太郎(1865~1927年)が松本市出身という縁もあり、同市の入山辺(いりやまべ)県有林(約557ヘクタール)が候補となっている。県と同学園は、対象地として数ヘクタールを絞り込んだ上で、使い方や名前、命名権料などを定める別の協定を2014年度以降に結ぶ予定。同学園は植樹や間伐、キノコ栽培、環境教育などへの活用を検討している。 県と同学園が14日に結んだ協定には、相互に連携や交流を深め、地域社会の発展や人材育成につなげることなどを定めた。この協定に基づき、14年度に着工を予定する同学園記念講堂の改修では、県産カラマツ22トンを内装に使う。 同学園はこれまでも県内でスキーや登山などの体験学習をしている。油井雄二学園長は県庁で開いた協定の締結式で「長野県の自然環境を生かし、子どもたちを育むことに尽力したい」と述べた。阿部守一知事は「豊かな環境を活用していろいろな取り組みを進めてほしい」とした。(長野県、信濃毎日新聞社)
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